とびひ(伝染性膿痂疹)

触れると感染しやすい「とびひ」とは

触れると感染しやすい「とびひ」とは「とびひ」は、細菌を原因とする皮膚の感染症です。正式には「伝染性膿痂疹」と言います。
膿を持つ発疹が現れるのが特徴で、この膿が染み出たり、水ぶくれが破れて飛び散ったりすると、その付着した部位に発疹が広がります。
このことが、“飛び火”するようであることから、とびひと一般に呼ばれています。

とびひの症状

水ぶくれができる「水疱性膿痂疹」

水ぶくれを主な症状とするタイプです。とびひの多くが水疱性膿痂疹に分類されます。
水ぶくれの中には膿があり、赤み、かゆみを伴います。
水ぶくれが破れると、皮膚がめくれてびらんが生じます。
黄色ブドウ球菌の感染を原因とします。

かさぶたができる「痂疲性膿痂疹」

こちらもはじめ水ぶくれ、赤みなどが生じますが、その後水ぶくれが破れ、厚いかさぶたが形成されます。
その他、発熱、のどの痛み、リンパ節の腫れなどを伴うこともあります。
溶連菌の感染を原因とします。

原因

小さな傷、虫刺され、発疹などから黄色ブドウ球菌や溶連菌が入り込み、発症します。
鼻ほじりをきっかけに感染し、鼻のまわりに症状が出るケースも見られます。
その他、乾燥やアトピー性皮膚炎などに伴う皮膚のバリア機能の低下もリスク要因となります。
黄色ブドウ球菌や溶連菌は、常在菌といって誰もが持っている細菌です。

とびひを放置すると重症化する!?
合併症の可能性も

とびひは、放置していると合併症を起こし重症化する可能性のある病気です。
特に注意が必要なのが、ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群です。黄色ブドウ球菌が作り出す毒素によって、全身にやけどのような皮膚症状をきたします。
また、細菌が血液中に入り込んで高熱を引き起こす菌血症や敗血症にいたっては、命が危険にさらされることがあります。
合併症・重症化のリスクを下げるためには、早期に、正しい治療を行うことが大切です。

子どもに多い「とびひ」は大人もなる?
なりやすい人の特徴

とびひは、0~6歳での発症が多いものの、大人にも起こり得る感染症です。
特に以下に該当する場合には、年齢に関係なく感染・発症しやすくなります。

  • 乾燥やアトピー性皮膚炎などに伴い、皮膚のバリア機能が低下している
  • 加齢や全身疾患などにより、体力、免疫力が低下している
  • 免疫を抑制する治療を長期間にわたって受けている
  • 皮膚をよく掻きむしってしまう
  • ストレスを溜め込んでしまう

とびひの治し方

塗り薬・抗生剤

塗り薬・抗生剤軽度であり、範囲が限られる場合には、抗菌薬の塗り薬による治癒を目指します。
症状がひどく、広範囲である場合には、塗り薬に加えて抗生剤の内服を行います。
数日間使用し、効果が期待できない場合には、抗生剤を変更します。
その他、必要に応じてかゆみを和らげるための抗ヒスタミン薬を併用します。

とびひになった時の注意点

感染を防ぐためのポイント

患部をさわらない、引っかかない

患部だけでなく、細菌が付着している可能性を考えて、全身を清潔に保つことが大切です。
患部を洗う際には、石鹸をよく泡立て、その泡で丁寧に洗い、シャワーなどでしっかりと洗い流します。
小まめな手洗いも、感染を広げないために大切なことです。

患部を含め皮膚を清潔に保つ・小まめな手洗い

患部だけでなく、細菌が付着している可能性を考えて、全身を清潔に保つことが大切です。
患部を洗う際には、石鹸をよく泡立て、その泡で丁寧に洗い、シャワーなどでしっかりと洗い流します。
小まめな手洗いも、感染を広げないために大切なことです。

タオル・衣類などの共用を避ける

タオル、衣類を介して感染が拡大することもあります。
家族間であっても、共用は避けてください。

保育園や幼稚園・学校には行っても大丈夫?

ガーゼや包帯で患部を保護した上であれば、登園や登校は可能です。
ただし、水ぶくれやびらんがあるうちはプールには入れません。
※園、学校のルールがある場合には、そちらを優先してください。

とびひの予防方法

とびひを予防する方法としては、以下のようなものがあります。
なおとびひは通常、梅雨時から夏にかけて流行します。

  • 毎日入浴し、皮膚を清潔に保ちましょう。
  • アトピー性皮膚炎や乾燥肌、虫刺されなどがあると掻いてしまいます。掻かないよう、積極的に治療を受けましょう。
  • 外遊び、土いじりなどで手が汚れた時、帰宅時には必ず手洗いをしましょう。
  • 爪はきちんと切りましょう。
  • 栄養バランスの良い食事、運動習慣、十分な睡眠により、免疫力を高めておきましょう。
  • ストレスが溜まらないよう、うまく発散できるようにしましょう。
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