白斑とは？
白斑とは、皮膚の一部の色が抜け、大小の白い斑点ができる病気であり、正式には「尋常性白斑」と言います。
多くは後天的に、何らかの原因によってメラニン細胞が減少することで発症しますが、先天的にメラニン色素を合成できないために発症するケースも見られます。
白斑の症状と種類
白斑には以下のような種類があり、症状が異なります。
非分節型（指趾顔面型・汎発型）
3分類の中で、もっとも頻度の高いタイプです。
神経の支配する領域と無関係に、身体の左右に対照的に白斑が現れます。
顔・手指・足指を中心に白斑が現れる「指趾顔面型」、全身に現れる「汎発型」などがあります。
分節型
神経の支配が及ぶ領域と一致して、身体の左右片側だけに白斑が現れます。
症状が複数の部位に起こったり、急激に拡大するケースも珍しくありません。
未分類型（限局型）
一箇所にのみ白斑が生じ、広がらないタイプです。
白斑の原因は？
白斑は、メラニン色素を作るメラニン細胞が減ったり消失することで発症します。
ただし、根本的な原因については未だはっきりしたことが分かっていません。
現在のところ、以下のような原因が考えられます。
考えられる原因
自己免疫の異常
本来であれば身体を守ってくれる免疫が、メラニン細胞を攻撃・破壊することで、白斑が発生すると言われています。
ストレス
慢性的・過大なストレスは、血流を低下させたり、自律神経のバランスを乱したりします。
これにより、白斑が拡大したり悪化したりする可能性が指摘されています。
病気の合併
梅毒、バセドウ病、白血病、糖尿病などの一部の病気は、白斑の発症や進行と関連があると言われています。
白斑症になりやすい人
白斑は、どの年代においても発症しうる病気ですが、比較的若い年代での発症が目立ちます。
また、梅毒、バセドウ病、白血病、糖尿病などがある方は、そうでない人と比べると発症のリスクが高いと言えるでしょう。
なお、男女差はありません。
白斑の治療
はっきりとした原因は解明されていませんが、白斑の治療は可能です。
日本皮膚科学会のガイドラインに沿った治療を行います。
塗り薬
白斑が比較的小さい場合には、ステロイドの外用が約半数の症例に有効となります。
長期にわたって使用すると皮膚の萎縮などの副作用が出ることもあるため、期間を決めて、その有用性を判断することが大切です。
その他、ビタミンD３軟膏やタクロリムス軟膏が有効になることもあります。
ビタミンD軟膏は、ステロイドやタクロリムス軟膏と比べて副作用が少なくなります。
飲み薬
進行性の白斑の場合には、ステロイドの内服が有効になることがあります。ただし、塗り薬とは異なり全身に作用するため、外用よりも副作用は一般に強くなります。
治療報告は少ないものの、免疫抑制剤の内服を検討することもあります。
光線療法
紫外線療法とも呼ばれます。紫外線を白斑に照射することで、メラニン色素の再生を促す治療です。
当院では、「エキシプレックス308」という最新の治療器を導入しております。高密度照射が可能であるため、従来の治療器よりも治療時間が短縮されます。
外科的治療
保存的治療で十分な効果が得られず、見た目上問題になる白斑については、皮膚移植などの外科的治療を検討します。
