帯状疱疹

帯状疱疹(たいじょうほうしん)の症状

帯状疱疹(たいじょうほうしん)の症状帯状疱疹は一般に、初期症状として皮膚の痛み・かゆみが出現します。
そしてその後、発疹や水ぶくれが、身体の左右どちらかに、帯状に現れます。

どのような痛み?

ピリピリ、チクチクといったしびれ程度のものから、ズキズキと響く痛み、焼けるような痛みまで、その種類・程度は多様です。
発疹や水ぶくれが出ると、徐々に痛みが強くなります。中には、眠れないほど強く痛むケースも見られます。

体のどの部位に発症する?

身体の左右どちらかに、帯状に出現します。
胸、腕、背中などの上半身に発症する割合が高いものの、臀部~下肢を含め、全身に現れる可能性があります。頭部に現れることもあります。

帯状疱疹とは?原因は?うつる病気?

帯状疱疹とは、水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる病気です。

発症する原因

水痘・帯状疱疹ウイルスに初めて感染した時は、水ぼうそうとして発症します。
水痘・帯状疱疹ウイルスは、水ぼうそうが治癒しても体内の神経節に残ります。
その後、ストレス、過労などによって免疫力が低下した時に水痘・帯状疱疹ウイルスが再度活性化して発症するのが、帯状疱疹です。
なお帯状疱疹は通常、生涯に1度だけ発症しませんが、中には再発をしてしまうケースも存在します。

帯状疱疹は「水ぼうそう」としてうつる可能性

帯状疱疹は先述の通り、体内に潜んでいた水痘・帯状疱疹ウイルスが再活性化して発症する病気です。そのため、“帯状疱疹がうつる”ということはありません。
しかし、水痘・帯状疱疹ウイルスを持っている人から、水痘・帯状疱疹ウイルスを持っていない人(水ぼうそうになっていない人)にウイルスがうつり、そのうつされた人が“水ぼうそうを発症する”ということはあります。
ですので、「帯状疱疹はうつらないからまわりの人への感染を心配しないでいい」というわけではありません。
水ぼうそうになっていない人、特に乳幼児には、できるだけ近づかないようにするのが安心です。

帯状疱疹の治療方法と薬

帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされます。
そのため、ウイルスに対する抗ウイルス薬の使用が治療の中心となります。

抗ウイルス薬

水痘・帯状疱疹ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬を使用します。
一般には飲み薬が選択されますが、貼り薬や注射などを使用することもあります。
主な抗ウイルス薬としては、ゾビラックス、バルトレックス、ファムビル、アメナリーフなどが挙げられます。
なお、症状が改善した場合でも、自己判断で使用を中止しないでください。体内にウイルスが残っている可能性があるため、医師の指示に従って、内服を継続しましょう。

外用薬

皮膚の炎症を抑える外用薬、ヘパリンなどの保湿剤を使用します。

鎮痛薬

発疹が治まってからも痛みが残ることがあります。
痛みが残らないよう、必要に応じて非ステロイド消炎鎮痛薬、末梢神経障害治療薬などを使用します。

神経ブロック注射

痛みがひどい場合には、神経の近くに局所麻酔を注射する神経ブロック注射を行うことがあります。

帯状疱疹になった時してはいけないこと

水ぶくれを潰す

水ぶくれを潰すと、感染しやすい状態となります。
痛みや痒みが気になっても、触ったり引っかいたりといったことは避けてください。
潰してしまった、潰れてしまったという場合には、丁寧に洗ってから、ガーゼで保護しておくことで、感染を防ぎましょう。

痒み・痛みがある箇所を冷やす

患部を冷やすと、逆に痛みが悪化します。
帯状疱疹の痛みや痒みに対しては、入浴やタオルなどによる温熱が適しています。

睡眠不足やストレスを溜める

睡眠不足やストレスは、免疫力を下げ、症状を悪化させる原因となります。
十分な睡眠をとり、ストレスをうまく解消しましょう。生活リズムを規則正しくしたり、栄養バランスの良い食事を摂ることも大切です。

帯状疱疹の予防方法(ワクチン)

ストレス・過労を避ける

ストレス・過労を避けるストレスや過労、睡眠不足など、免疫力を下げる要因があれば、改善しておきましょう。
免疫力を高めることで、水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化を防ぐことができます。
もちろん、生活リズムを整えたり、栄養バランスの良い食事を摂ることも大切です。

ワクチン接種

ワクチン接種帯状疱疹の予防には、ワクチンの接種が有効です。
水痘・帯状疱疹ウイルスに対する抵抗力を高めることで、発症だけでなく、後遺症を予防できる可能性が高くなります。

よくあるご質問

帯状疱疹はほっておくとどうなる?

帯状疱疹の治療が遅れると、合併症を起こしたり、後遺症が残ったりするリスクが高くなります。
帯状疱疹の合併症としては、角膜炎、結膜炎、ぶどう膜炎といった目の病気(重症化し失明に至ることがあります)、ラムゼイ・ハント症候群(顔面神経麻痺や難聴などの原因となります)などが挙げられます。
また、代表的な後遺症には、帯状疱疹の発症後3カ月以上痛みなどの症状が続く帯状疱疹後神経痛があります。
健康、そしてQOLに影響するこれらの合併症・後遺症を避けるためには、生活習慣を改善したり、ワクチンを接種したりといったことが大切になります。

帯状疱疹はがんの前触れって本当?

帯状疱疹ががんの前触れ、ということはありません。
しかし、がん、あるいは糖尿病などの疾患によって免疫力が低下し、帯状疱疹の発症の引き金になるということはあります。
その場合には、帯状疱疹の治療とともに、原因となる病気の治療も必要になります。

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